作り手の声: 陶芸家/李荘窯 寺内信二さん <PART 2>
有田のサステナブルな取組み~泉山と天草の陶土開発プロジェクト~ HULS GALLERY TOKYOでは、2021年11月に、有田焼窯元・李荘窯四代目当主である、陶芸家の寺内信二さんの個展「泉山への回帰」を開催いたしました。本個展の関連企画として行ったトークセッションでは、古伊万里が原点となった寺内さんの作品づくりへの想い、産地での新たな陶土の開発についてお話いただきました。 *記事は前半と後半(本ページ)に分かれています。 前半はこちら - さて、ここからは泉山陶土の再生プロジェクトについてお話いただきます。寺内さんお願いいたします。 はい。私が泉山磁石場組合の開発委員長をしているなかで、今年(2021年)の7月に立ち上げたプロジェクトです。今では使われていない泉山陶石から陶土をつくって販売しようという試みです。組合には先人が築いた資産があるのですが、陶石を売っていないので管理費等で目減りしている状況です。 やはり、泉山で原料が取れて「有田」という産地が生まれたという点が重要です。原料があるからその土地に産業が生まれ、産地になるというのが基本なんですよね。ですが、有田では有田の土を使わず、熊本の天草陶土に頼っています。原料のないところで産地と言えるのかな?このままでいいのかな?というひっかかりがありました。 [...]