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新型コロナウイルス感染拡大に伴う営業時間変更のお知らせ

日頃よりHULS Gallery Tokyoをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、お客様および従業員の安全確保のため、 以下の通り営業時間の変更をさせていただきます。 期間:2020年4月1日(水)〜4月11日(土) 営業時間:10:00〜17:00 また、期間中の土曜日(4日および11日)につきましては休店とさせていただきます。 お客様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解いただけますようお願い申し上げます。 HULS [...]

2020-03-31T09:26:55+00:002020/03/31|

第11話「工芸とサステナブル」

ここ数年、頻繁に世の中で使われるようになった言葉の一つに「サステナブル」がある。「持続可能な」という意味を持つこの言葉は、地球環境や社会問題に向き合うことの大切さを教えてくれ、日々の暮らしの中でも、耳にすることが増えてきた。しかし、あまりに多用されてしまっているがために、「サステナブル=環境に良いこと」という意味で安易に人々に伝わってしまっているような気配があり、自分なりに「工芸におけるサステナブルとは何か」を考えるようになった。 私にとってサステナブルとは、時の移ろいについて想いを巡らせることから始まる。今すぐに、地球環境や社会問題に対して深く考え何かを実践することは難しいが、まずは、昔の暮らしはどうだったか、そこから今ではどのように変化したか、これから先はどうなるのかと、時の移ろいに想像力を働かせることを大切にしたい。子供の将来を思えば、自分の怠惰な暮らしは是正したいと思うだろうし、親の時代を思えば、今の時代がどんなに恵まれているかを知ることができる。時代の変化の中で、生きるために本当に必要なものはごくわずかであるが、人として生きている限り暮らしの進歩を追い求めたくなる欲もある。そんな相反するものを上手に調和させながら、社会全体のことを考え行動することが、サステナブルの第一歩であろう。 工芸品は、時間をかけて作り上げ、時間をかけて使い込んでいくものだ。私自身は、唐津のぐい呑や、開化堂の茶筒、上質な柿渋染の革財布などは、静かに経年変化を楽しんでいる。使い込むうちに、愛着は増し、やがては自分と一心同体のものにすらなる。そんなところにこそ、工芸の世界のサステナブルが見え隠れする。工芸品の経年変化を通じて、時の変化を意識し、そこに一つの美意識を生み出す。長く文化が繋がれてきた島国の日本ならではの考え方でもある。今の時代が良いものであれ悪いものであれ、変化していくことを意識することができれば、その道は明るい。まずは、今このときだけのことを考えるのをやめ、昔や未来の暮らしを想像してみる。それは、工芸を通じて広がる世界の一つであろう。 天然素材を主とする工芸品であるが、そうであるからサステナブルだというのは、一つの側面でしかない。工芸品は、素材としては天然のものであっても、簡単にリサイクルをしたり、すぐに土に返るものでもない。物を作ることは、人の生きる証でもあり、簡単に手放すことのできるものではないが、だからこそ、その一つ一つを手に取り、愛着を持つことがまずは大切な一歩になる。また、時代の波に流されることのない息の長い魅力が詰まっていることも、工芸の価値の一つであろう。石器時代の暮らしに戻ることはできないが、祖母が大切に使っていた帯を次の時代に繋げることならできる。そういうことが、私にとってのサステナブルなのだ。 テキスト:柴田裕介 作品:「柿渋染 長財布」/ブルックリンミュージアム [...]

2020-03-27T13:32:44+00:002020/03/27|

第10話:「不揃いであること」

現代の工芸品の魅力の一つは「不揃いであること」と言って過言ではない。陶磁器であればろくろや窯変、木工品であれば木目、色糸であれば草木染めなどによって、世に二つとないものが生み出される。世の中は、大きく進歩し、画一的なものに囲まれた暮らしが当たり前になった。そんな中で、一点一点異なる工芸品というのは、特別な意味を持つようになってきた。 不揃いではあるが、不出来ではない。それが工芸のあるべき姿であろう。工芸の世界では、右が左に比べて優れているか劣っているかという価値基準があるわけではなく、あくまで個々一つ一つが美しいかどうかが求められる。もちろん、ガラスのコップであれば、気泡が多くあれば不具合品とみなすこともあるが、それ以上に触れ心地や飲み心地が良いかどうかが作品としての価値を大きく左右する。 私はデザインの経験があり、白紙の上の線が縦に真っ直ぐであるかどうかや、文字が真ん中にあるかどうかをすぐに気づくことができる。頭の中に「違和感のスイッチ」があるといっても良いかもしれない。ただ、工芸品を見て、二つの違いが気になるかというとそういうことはない。おそらく、一般の人々のほうが、そうした違和感に敏感だろうと思う。人も同じだが、隣と比べて良いか悪いか、どれほど揃っているかどうかという議論はさほど心地の良いものではない。不揃いであっても、そこに個別の美しさがあるかを見極められるかどうかが審美眼ではないかと思う。 ただ、工芸の世界において、手仕事だから、この程度で良いだろうという妥協も好ましくはない。大量生産品が主流を占める時代に、不揃いなものに価値を見出してもらうには、大量生産品には、負けない魅力を込める必要がある。不揃いであっても、個々の美を自信を持って語れるかどうか。そこに工芸としてのこだわりが必要なのだ。 現代の暮らしにおいて、無垢材の家具は贅沢なものになり、オートクチュールのドレスは希少になった。工芸品も同じく、その差異は小さくとも、世に二つとない個性を潜めている。それはつまり、作品一つ一つに向き合うことであり、その一つが壊れたら悲しいと思うことであろう。そんな気持ちが、物を大切に使うことの第一歩なのだ。 テキスト:柴田裕介 作品:「信楽 茶椀 」/澤克典 [...]

2020-03-16T06:09:25+00:002020/03/16|

第9話「ワインと工芸品の共通点」

ワインについて、それほど多くの知識があるわけではないが、葡萄の種類や産地の特徴、ヴィンテージの存在など、ワインのことを深く知るにつれて、ワインと日本の工芸品には通じるところがあるのでないかと思うようになった。 ワインは、「天・地・人」によって生まれると言われることがある。この「天・地・人」という言葉は、ブルゴーニュ在住の日本人醸造家である仲田晃司氏が使用した言葉であり、ワインというものは、気候という天の恵があり、土という大地の特徴があり、そこに人の知恵や技術が加わり、生み出されるということだ。「天・地・人」その全てが上手に組み合わさることが最高のワインの条件とされる。海外では「Terroir(テロワール)」という言葉もあり、こちらは地理や気候による土地の特徴を言い表した言葉である。工芸品にも、「天・地・人」や「Terroir」という言葉と同じような性質がある。土地の風土やそこにしかない素材に、人の技が加わる。それら全てが組み合わさることが、美しい工芸品には欠かせない。 ワインは、歴史深く、世界で最も愛される国際的な飲み物の一つだ。5大シャトーのようなワインであれば、美術品と同じような値がつくこともある。ワインがこれだけ世界中の人々を魅了するのは、単純な葡萄の味だけではないだろう。たった一本のワインから、天地の恵みや時の移ろいを感じるところに、その奥深さがある。また、そうした土地や年代の特徴を知ることで、味の違いがわかるようになり、ワインを飲むたびに、どこかを旅するような気持ちにさえなることが、人々を虜にする。 工芸も同じで、私自身、磁器と陶器の違い、木材の違い、産地の文化・歴史など、産地を歩きながら少しずつ蓄えた知識・経験によって、工芸品だけでない物事全般の見方・捉え方が広がってきた。今まで、存在すら意識しなかったグラスは、今では水をも味わう道具となり、暮らしの価値を大きく変えてくれた。その変化は、私の中では、とても大きなことだ。ワインに興味を覚えたのもほぼ同時期であるが、残念ながらまだワインの産地には訪問したことがない。世界の産地を歩いてみたい。そんな夢も膨らんでいる。 日本でもワインの人気は年々高まっており、ワイングラスに取り組む工芸メーカーも増えてきた。意外な接点がありそうなワインと日本工芸。これから先の一つの工芸の道となるのかもしれない。 テキスト:柴田裕介 作品:「たおやか ワイングラス 」/百色 [...]

2020-03-13T02:45:09+00:002020/03/12|

第8話「美術品と工芸品の違い」

ギャラリーでは、工芸品を取り扱っていることをお客様に伝えると、美術品との違いを聞かれることがある。工芸品も「美術工芸品」と称されることがあり、美的価値があるという点で、大きくは美術品の一種であるが、一般的には、美術品というと鑑賞目的が強く、絵画や彫刻のことを指すことが多い。 一方、工芸品は実用性が重視され、「暮らしの道具」であることが基本となる。例えば、漆器の汁碗であれば、どんなに加飾が施されたものであれ、汁椀として使用することを想定して作られている。今では、芸術的価値の高くなった抹茶椀や九谷の赤絵作品などは、時に実用性を度外視した作品もあるが、それは本質的には工芸品とは言えず、美術品と呼ばれることになる。鑑賞的な美しさも併せ持つが、使うことで育っていくのが、工芸品の最大の魅力なのである。 また、工芸品は、「伝統工芸品」や「雑器/雑貨」と呼ばれることがある。私自身は、このギャラリーを始めるときに、「伝統」という言葉と「雑器/雑貨」という言葉を極力使わないようにと心に決めた。器や織物を取り扱う日用品店は時に「雑貨屋」と呼ばれるが、丹生込めて作られた品を雑貨と呼ぶことには大きな抵抗がある。また、伝統的であることばかりに重きが置かれ、今の暮らしに合わない品を売り込むことにも違和感がある。そしてまた「アート」という言葉も多用することを避けるべきだと考えている。英語では「Art」という言葉は多義的であり、芸術作品だけでなく、精神性や生き方をも含むものであるが、日本での「アート」という言葉は、やはり見た目の「芸術性」という意味合いが強く感じられ、工芸の趣にそぐわない。 その点では、かつて柳宗悦氏が民藝運動の中で「用の美」という言葉を用いたのは、工芸の世界に置いて、何よりも重要なことであった。工芸というものに新たな命を吹き込んだと言ってもいい。さらに、現代の工芸は、人が生み出すものでありながら、自然や地域性との接点が欠かせないところに、美術品とは異なる面白さがある。自然と共生した地域でのものづくりが当たり前だった時代から、時代は大きく移り変わり、日本の地方文化の奥深さが再認識されようとしている。 個人的には、美術品であれ工芸品であれ、どのように解釈しても、どのように使用してもかまわないと思っているが、「工芸」という言葉の本質を深く追求していくことで、作品の見方・捉え方が多様になることは、多くの人に知ってもらいたいと思っている。私たちは、デジタルのものに囲まれ、全ては数学のように、正しい答えがあることに慣れすぎてしまっている。自然の領域は曖昧であり、答えは人が導き出すものでないからこそ、そこにわかりきらない気づきがある。工芸品は、一人の人間による一作品ではない。全ては連なりの中から生まれているところに、捉えきれない美が潜んでいるのだ。 テキスト:柴田裕介 作品:「金襴手彩色 陶筥」/錦山窯 [...]

2020-03-07T13:37:38+00:002020/03/07|

「KOTENRA個展 – Flower moment -」延期のお知らせ

3月13日よりHULS Gallery Tokyoにて開催を予定しておりました「KOTENRA個展 - Flower moment -」は、新型コロナウイルス拡大予防のため、6月に延期となりました。 延期後のスケジュールが決まりましたので、お知らせいたします。 この度は急なイベント延期となり、ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。 KOTENRA 個展 [...]

2020-03-03T08:18:25+00:002020/03/03|

「高岡銅器の伝統と現代 – 喜泉堂/KISEN -」開催のお知らせ

富山県・高岡にある四津川製作所の2大ブランド「喜泉堂」と「KISEN」展示会を開催いたします。約400年の歴史を持つ伝統工芸品の高岡銅器。仏像、仏具、香炉などの製作を経て、近年では、その優れた鋳物技術が現代のライフスタイルに合った器に生かされ、新たな可能性を生み出しています。本展では、類稀な造形美が見どころの喜泉堂の香炉や伝統と現代のライフスタイルを結びつけるKISENの酒器などを多数展示販売いたします。東京で両ブランドの商品が揃う貴重な機会となりますので、どうぞ足をお運びください。 開催時期: 2020年2月8日(土)〜 2月29日(土)10:00 a.m. – 6:00 p.m.      *日・祝は休業 開催場所: [...]

2020-02-04T05:09:16+00:002020/02/04|

第7話「酒器の魅力」

近年、海外では日本酒の人気が高まってきている。日本の和食文化の広がりとともに、「酒=Sake」や「ぐい呑=Guinomi」に詳しい外国人も増えてきた。酒器は茶器と並び、「用の美」を代表する工芸品の一つであり、多くの方に日常で使ってみていただきたいと思っている。 酒器には大きく分けて「盃」「お猪口」「ぐい呑」とがある。「盃」は中心が窪んだ皿状のもので、「お猪口」はお酒を飲むための小さな器のことを呼ぶ。「ぐい呑」はグイッと飲むことからぐい呑と呼ばれ、一般的には猪口よりも少し大きめの器のことを指す。日本酒を注ぐ道具としては「徳利」と「片口」とがあり、海外では徳利を用いて熱燗でお酒を飲むことが少なく、冷酒に使いやすい片口のほうが一般的だ。 酒器といえば、「備前の徳利、唐津のぐい呑」という表現がある。焼締による窯変の力強さが特徴の備前焼と、陶器として絵唐津、朝鮮唐津、皮鯨など様々な技法のある唐津は、どちらもどこまでも深い魅力を持っており、長く人々を魅了してきた。酒器は、焼締や陶器以外にも、磁器、ガラス、漆器に錫など、様々な酒器があるが、酒器はお酒との相性があり、お酒によって酒器を変えてみるのも楽しい。冷酒か熱燗か、純米か大吟醸か、辛口か甘口かなど、どの酒器を選ぶかによって、お酒の味わいが大きく変わってくる。例えば、純粋にお酒の味を楽しみたい方には、薄手の白磁のお猪口や装飾のないガラス製のシンプルな酒器をお勧めしたい。装飾を施していないものは、お酒の味に集中することができる。反対に、酒器の質感もあわせてお酒を楽しみたい方は、陶器のぐい呑や切子の作品などが良いだろう。特に、唐津や志野、織部などのぐい呑は、溶けた釉薬が絶妙な風合いを出し、呑む楽しさと眺める楽しさを同時に与えてくれる。舌触りを重視する方は、輪島塗の漆器や木製の酒器も試してみてほしい。 日本酒は料理と合わせていただくのも良い。フレンチやイタリアンなどでも良いが、やはり四季の食材を活かした和食と共にいただきたい。豪華な料理でなくても、日本には様々なおつまみがあり、それに合わせて、季節の日本酒をいただくのは、旬の贅沢と言える。酒器は、日本酒によっても、料理によっても、変化が楽しめ、その組み合わせは無限に広がる。ギャラリーには、酒器やぐい呑を集めるのがお好きで、定期的に足を運んでいただくお客様もいる。一点の酒器を愛し続けるのも良し、様々な酒器を買い揃えて使い分けるのも良し。工芸品を通じて、酒器の深い世界に足を踏み入れて見て欲しい。 テキスト:柴田裕介 作品:「暁(白)徳利/ぐい呑」/徳永榮二郎 [...]

2020-02-10T00:41:59+00:002020/02/01|

「徳幸窯 ハレの器展 / 同時開催 徳永榮二郎 作品展」開催のお知らせ

HULS Gallery Tokyoでは、新年1月6日(月)から1月25日(土)まで、佐賀県有田の窯元・徳幸窯の「ハレの器展」を開催いたします。1865年創業の徳幸窯は、得意の転写技法によって、割烹料亭向けの雅で華やかな絵柄の器を製作しています。今回の企画展では、新春にふさわしく、幸せへの願いが込められた吉祥文様の器を数多く展示し、皆さまへ福をお届けします。 また、徳幸窯の次男として生まれ、京都で修行を積んだロクロ師・徳永榮二郎氏の作品展も同時に開催いたします。こだわりの炭化焼成による作品の数々をご堪能下さい。 「徳幸窯 ハレの器展 / 同時開催 徳永榮二郎 作品展」 開催時期: [...]

2020-01-14T01:18:35+00:002019/12/25|

年末年始の営業のお知らせ

日頃より HULS Gallery Tokyo をお引き立ていただきありがとうございます。誠に勝手ながら、下記の期間を年末年始休業とさせていただきます。 年末年始休業期間 :12月29日(日)~ 1月5日(日) つきましては年内は12月28日(土)まで、新年は1月6日(月)からの営業となります。ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。

2019-12-25T03:40:56+00:002019/12/25|