おまかせコース「夏陰」
2皿目:夏の前菜3種

ミニトマトの冷たい射込み

今回はミニトマトの冷たい射込みとお素麺のお料理です。 木の器の上段にはミニトマトの射込みと本物のトマトの葉をあしらいトマト畑をイメージした一皿に。ミニトマトには湯むきしたみずみずしく綺麗な色の皮もあしらいで使いました。また、お客様にお出しする直前には霧吹きで水滴をしたためて涼しげに…。二段目には冷たいお素麺。一番下にはトマトの射込みを炊いた時のお出汁を味付けし、お素麺のつけだしに。 当初はお出汁と薄口醤油、みりんで味付けをしようと思っておりましたが、味見をしたところお出汁だけで炊いたのにトマトと鶏肉から溶け出した旨みがあり美味しかったので、素材そのものの味で召し上がって頂こうと思いました。お素麺にお付けしたつけダレはミニトマトの射込みを炊いた時のおだしにほんの少しお塩を足したものです。 夏はたくさん汗をかきますので少し塩がきいたお料理が美味しく感じます。召し上がる方のお好きそうな塩加減にしてあげて下さい。 先ずはひと口ミニトマトの射込みを召し上がって頂き、そのあとお素麺と一緒に。ご家庭で作られる時は少し大きめのトマトでお作りになるとひとつずつ詰める手間がかかりません。その場合炊く時間を長くして下さい。

レシピ

<材料(二人前)>
・ミニトマト・・・1パック
・鶏ミンチ・・・80g
・玉ネギ・・・1/8個
・出汁・・・適宜
・塩・・・ひとつまみ強

●付け合わせ素麺

・素麺1把
・プチトマトの射込みを炊いた残りの出汁・・・・適宜
・塩・・・適宜

1. 鍋にたっぷりの湯を沸かす。
2. トマトのおしりの部分にペティナイフで軽く十字に切れ目を入れ、10秒程湯につけ網ですくって氷水に落とし皮をむく。
3. トマトのヘタを切り落とし、小さなスプーンで中身をくり抜く。くり抜いた種はザルに入れ汁と分ける。種は使わず、汁はトマトを炊く時に一緒に入れる。
4. ボウルに細かくみじん切りにした玉ネギ、鶏ミンチ、塩を合わせよく混ぜ合わせ、くり抜いたトマトに詰める。中身が出ないようにガーゼで包んでおく。
5. “ 4 ”のトマトと、出汁、“ 3 ”でとっておいたトマトの汁を入れた鍋を火にかける。沸騰したら弱火に。7分ほど蛍火で煮たら味見をして塩が足りないと感じたら加減して足し鍋ごと急冷する。あら熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。
6. よく冷えたトマトを器に盛り付けたら出来上がり。

・トマトの射込みを作る時は、あまり熟し過ぎていない固めのトマトを選ぶと煮崩れません。
・ミニトマトに鶏ミンチだねを詰める時、詰めにくい場合は絞り袋を使って入れると詰めやすいです。
・トマトを炊く時に火が強いと、煮崩れたり中身が飛び出して煮汁が濁ってしまい、仕上がりが綺麗になりませんので、沸騰するかしないかの温度で煮て下さい。
・アレンジとして鶏ミンチだねに生姜や紫蘇を加えてもさっぱりとして美味しいです。

<付け合わせ素麺>

1. 射込みを炊いたお出汁に塩を加え好みの塩加減にする。
2. 鍋に湯を沸かし素麺を1〜2分ほど茹で、氷水に落として急冷し、水を切る。
3. 麺と汁をそれぞれ器に盛る。

料理家:茂村美由樹

使用した工芸品

KOTON V

石川県山中にて、木地挽きの技法を活かして作られた木の入れ物。三段に分かれており、料理のうつわとして、小物入れとして、ご自由にお使いいただけます。

産地:石川県山中
ブランド:GATO MIKIO
材質:ケヤキ
サイズ(mm) :φ160×H105

価格:15,000円(税抜)

遠方茶寮

「遠方茶寮」とは、HULSが手掛ける架空レストランです。国内外で活躍する料理家やシェフの監修のもと、ご家庭でも作れるワンランク上のコース料理レシピを紹介します。レシピは日英のバイリンガル表記で、HULS GALLERYのウェブサイトやSNSなどオンラインにて配信。HULS GALLERYが厳選した、陶磁器や漆器などの工芸品を使用したコーディネートもお楽しみいただけます。